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「多分、好きになってる……みたいです」
優羽は恥ずかしさを抑えて司さんをしっかり見ながら言った。
「そ…っか…」
司さんはふーっと大きな息を吐いてしばらく下を向いた。
「昨日のキスは……、半分同情かと思ってた」
ポツリと司さんは言った。
「は?」
優羽は変なことを言う司さんをきょとんとした顔で見た。
「俺に触れられるのヤじゃないの?」
「え?
全然、嫌じゃないです。
むしろ……触れて欲しいというか……」
恥ずかしさで語尾がごにょごにょと小さくなってしまった。
はーっと司さんはまた大きな息を吐き、両手を合わせて鼻を挟むポーズをとった。
きっと彼なりの照れ隠しなのだろう。
「なにこれ、なんか、すごい、こしょばいんだけど」
「……うん」
優羽もうなずいたまま下を向いてしまう。
「わっ」
いきなり司さんが優羽の手を引いて抱きしめた。
「男、気持ち悪いんじゃないの?
今、嫌じゃない?」
――?
もしかして過去の男性恐怖症だったことを言ってる?
「い、今は大丈夫です」
司さんの腕の中にいるため若干こもった声で優羽は答えた。
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