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検査の後、優羽は初老の主治医に呼ばれた。 特別異常はなく、足も退院の頃には松葉杖無しでも大丈夫だそうだ。 ただ、記憶だけはいつ戻ると断定はされなかった。 明日かもしれないし、20年後かもしれないし、一生戻らないかもしれない。 「記憶が戻るために何かできることはありますか?」 司さんとのつながりを思い出して自信をつけたい優羽はとりあえず聞いてみた。 「う~ん、その人と自分との共通の思い出の物や写真を見たりすることですかねぇ。 あと、事故に関しては、嫌でしょうけどその現場に行くとか」 どちらにしても退院してからだな。 優羽はおとなしく明後日の退院を待つことにした。
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