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「しかし、まあ、なんで走行中に車から飛び出そうとしたのかねぇ……」
診察室から出ようとしていた優羽は、ぼそっと言った主治医の言葉にピタッと足を止めた。
「……え?」
「あ、いや、思い出したくないから記憶を無くしたのかな。
今のは聞かんかったことにしておくれ」
――車から飛び出した?
私が?
「先生、私思い出したいんです。
詳しく教えてください」
優羽は主治医に迫った。
「いやいや、困ったなあ。
私も事情についてはよく知らんけど、君の彼がそう説明したんだよ」
「司さんが?」
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