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「で?あれから結城先生からの連絡は?」 床の上に転がる私を眺め、唯が心配そうに言葉を掛ける。 「ん?…ない。あれから一ヶ月近く音信不通…。完全に放置」 唯のお気に入りのクリーム色の絨毯の毛を、何と無く指で弾きながら言葉を返す。 「一ヶ月もぉ?…でも病院で見掛けたりしないの?」 「まずないね。病院でたまに遠目に見掛けるくらい」 「…完全に音信不通…全く状況分からずか…」 親友は苦笑いを浮かべ、横たわる私を見下ろしため息を吐いた。 「もう…このまま連絡来ないかもね。案外、彼女との結婚準備で忙しくて私の存在をこのまま消したいのかもよ。邪魔なんだよ…私が」 体を起こしテーブルに頬杖をついた。 「邪魔って…そんな…。なら、綾子から連絡してみれば?このまま黙って綾子が引き下がるなんて許せない!私が絶対に許さない!」  唯が突然声を荒げて身を乗り出した。  「あんた怒ると怖いから止めて」 「止めてって、なにヘラヘラ笑ってんの?綾子はこのまま諦められるの?」 「…したよ…連絡…」 「…え?」 「だからしたんだって。どうしても不安で…我慢できなくてメールした。…でも、直ぐ送ったメールが返って来た…」 「ちょっと待って…直ぐ返って来たって…それ……アドレスを変えたって事?」 親友は険しく眉を寄せ言葉を詰まらせた。 「メールだけじゃない…携帯番号も繋がらなくなってた。好奇心で人の男に手を出して…結局これだよ…」 髪を掻き上げると、涙を堪えうつ向いた。
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