9月7日

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どれくらい泣き続けたのだろう…ベッドに頬を寄せ横たわる私は、嗚咽が止まない体をゆっくりと起こした。 時計を見ると午後4時を回っている。 泣き疲れた体を起こし、涙で濡れたシーツを剥がす。 そして用意した新しいシーツを掛けると、一杯になった袋を両手にさげ部屋を出た。 部屋に戻っても眠りにつける訳もなく、ベッドに潜り小さな音を流すテレビをただ眺めていた。 梨花さんの話したい事って何?もしかして…結婚のこと? 目を閉じると不安ばかりが頭を過る。 その度、和馬が与えてくれた甘い言葉にすがり付く。 和馬…まだ仕事終わらないの? もう10時になるのに…。 ずっと握りしめていた携帯を見つめ大きなため息を溢す。 携帯を枕元に置きベッドに座り後ろの壁にもたれ掛かった。 暫く膝を抱え顔を伏せていると、携帯が鳴り出した。 『和馬!!』 伏せた顔を瞬時にあげ携帯を掴んだ。 「おぅ、ごめん。遅くなった」 「あ…うん。お疲れさま」 いつもと変わらない調子の和馬の声を聞き『トクン』と胸が小さな音を立 てる。  「めちゃ疲れたぁ~。あ…綾子は今夜は夜勤だろ?」 「うん。もう少ししたら支度しなきゃ」 「夜勤までに何時間ある?」 「え?…っと…1時間くらいかな」 壁に掛かった時計を見上げ答えた。 「ふぅ~ん…。俺、今帰ろうと思って北口駐車場にいる」 「あ、そうなんだ」 北口駐車場…。 随分病院から離れた場所に止めたんだ…。 私は不思議に思いながらも、携帯から流れる和馬の声を心地よく感じていた。
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