1人が本棚に入れています
本棚に追加
「でも今は、結婚してもいいかもしれませんわ」
「えっ? あれだけ嫌ってた人と結婚しちゃうの?」
「それは天地がひっくり返ってもありえませんわ!」
「じゃ、じゃあどういう意味?」
「け、結婚してもいい相手が出来た、という意味ですわ」
「あっ、そうなんだ。えっと、おめでとう?」
「ありがとうございますわ。でも問題がございますの」
「問題?」
「その方は私を女性として見てくださらないんですの」
「へぇ」
「それに私ったら、初対面から色々とご迷惑をかけてばかりで」
「僕と会った時も色々あったし、聖護院って意外とおっちょこちょい?」
「でもその方はお優しくて、どんなに迷惑をかけても笑顔でいてくださるんですの」
「いい人そうだね。聖護院が好きになるのも納得かも」
「……ついでにその男性は鈍感ですわ」
「へぇ。勿体無いなぁ、そいつ」
「……」
「でも聖護院、いきなり結婚は早いから、お付き合いから始めるんだよ?」
「存じておりますわ! この間読んだ『清く正しい男性との付き合い方』に書いてありましたので」
「そ、そう」
「……監督は、もし私が結婚したらどうしますの?」
「もちろんお祝いするよ! チーム一丸となって、聖護院を胴上げするよ!」
「監督は、私が結婚しても悲しまないんですの?」
「悲しむって。僕が聖護院のお父さんなら別だけど、素直に祝福するよ」
「……そう、ですの」
「よし、そろそろ特訓を再開しよう」
「……」
「聖護院?」
「はい。わかりましたわ。今度は監督がバテても、容赦しませんことよ?」
「あぁ、受けて立つよ!」
最初のコメントを投稿しよう!