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いつしか散漫になっていたのだろう もしかしたら、本当は捕まりたかったのかもしれない 無断で種を回収している現場を押さえられた僕は、若い回収人からタコ殴りに殴られた 引き摺られて、そのまま警察署へ送られたので、僕は妹の事を打ち明けた 一度警察署に入れられると、家に戻れる保証がなかったのだ 何人かの専門家の立ち会いの下、僕は妹のいるボロ小屋へと戻った 「オニニニィィィチャァァァン。フフフヒヒヒダダィスキキキヒヒフフフ」 部屋いっぱいに成長をした妹を見て、専門家たちは口々に面白いと言い、僕を連れて来た警官は次々とその場で嘔吐した 「君は誰?」 久しぶりに見た妹は、顔もいくつかつけていて、出来損ないの妹に似た顔が沢山成っていた 面白い面白いと言いながら、専門家たちは妹を回収していった これからの「牡丹」の研究と妹の「牡丹」が治るように、施設で大切に扱う事を専門家は僕に約束してくれた そして、僕には「牡丹」の拡散をこれ以上広げない為に、「牡丹」の回収の仕事が与えられた 妹は金持ちの為の実験材料に。僕も金持ちの為の薬を作る為に使い潰されるのだと理解した こんな結末を望んだ訳ではないけれど、それ以外の結末を僕は知らない
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