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正確には、
ぼたんと続けて聞こえたと言う依り、
「ぼ…たん…」
と、途切れ途切れに聞こえたのだ。
壁を引っ掻く音が邪魔して、上手く聞き取れ無かったが、本当は、私の想像とは異なる何かを呟いて居たのかも知れない。
其れにしても、
顔を合わせても悩んだ風な顔を見せないのが疑問で、私は恋人と破局して情緒不安定や過敏になって居るだけかも知れないと思う事も在るが、
私は、恋人と破局した事を未だ引き摺って居るのだろうか?
今迄した喧嘩も酷いもので在ったし、
亦、別れ方も最悪で忘れるに忘れられ無かったが、
少なくとも、
今の私は、至って正常で在ると信じたいが、私は、頭がおかしくなったのだろうか?
私が夜遅くに仕事を終え、帰宅した或晩の事、亦、聞こえたのだ。
ガリガリと壁を削るお隣さんの音が……。
ここ最近、頻繁だな…。
そんな事を考えながら、私は壁に耳を当てる。
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