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センセイは上着を着ると布団に座っている私の前に来てキスをする。せめてもの抵抗にセンセイのスーツの袖口を摘み、軽く引く。 「淫乱ですよ」 「そうしたのはセンセイだわ」 「そうでしたね」 センセイは袖を引いていた私の手を掴んで離し、その手の甲にもキスをする。そしてセンセイは玄関から出て行った。 私は一人、布団に潜り込む。さっきまで戯れていた熱かった筈の布団は冷えていた。寒い……冷たい……もっと温もりが欲しい。残されたのは私の体と香りだけ、センセイはいないのだ。
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