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「香織は俺以外を見ちゃダメ。
解った?」
「…はい…」
二人のやり取りを聞きながら
俺は小さく笑った。
この関係を
コントロールしてるのは
前島香織じゃなかった。
冬木拓馬の方じゃないか。
沙織という妻がありながら
前島香織を支配して…。
恐らく…
前島香織が未熟なデザイナーを
わざわざ選んで仕事をするのは
…冬木部長のこの独占欲を
刺激しないための唯一の方法。
冬木部長が
資料室を出た扉の音で
揺れていた俺の思いに
結論を出した。
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