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「ええ、関係ありません。
ですから前島さんと冬木部長が
不倫関係だろうと
どうでもいい事です。
しかし今後、資料室で
今のような事は
控えられた方がよろしいかと。
香港と本社では
勝手が違うので
俺はしばらくここに
頻繁に出入りさせて頂きますから」
ヒールを履いていても
見下ろすほど小柄な彼女は
まるで怯える小動物のように
俺を見上げたまま
何も言い返して来なかった。
肌けた胸元には
薄紅の痣をつけられて
それに気づく気配もないまま
今にも泣きそうな顔で
ただ俺を見つめる瞳は…
哀れとしか言いようがない。
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