慟哭

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「東雲さん、今夜この後… どこかで飲みなおしませんか?」 俺の耳元に顔を寄せて 甘ったるい声で囁く 加藤千夏を冷たい視線で 見つめて言葉を落とした。 「結構です。 お気持ちはありがたいですが 俺はその気はありませんので」 「へっ?」 ポカンとする彼女に 軽く会釈して俺は席を立った。 そのまま小野さんの隣に 移動して宴会が終わるまで 大人しく飲み続ける。 「お?東雲飲んでるか?」 「ええ、ボチボチと」 微笑みながら心の中で呟いた。 小野さん… 申し訳ありません、と。
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