4349人が本棚に入れています
本棚に追加
「東雲さん、今夜この後…
どこかで飲みなおしませんか?」
俺の耳元に顔を寄せて
甘ったるい声で囁く
加藤千夏を冷たい視線で
見つめて言葉を落とした。
「結構です。
お気持ちはありがたいですが
俺はその気はありませんので」
「へっ?」
ポカンとする彼女に
軽く会釈して俺は席を立った。
そのまま小野さんの隣に
移動して宴会が終わるまで
大人しく飲み続ける。
「お?東雲飲んでるか?」
「ええ、ボチボチと」
微笑みながら心の中で呟いた。
小野さん…
申し訳ありません、と。
最初のコメントを投稿しよう!