仕掛けた罠

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「自分の手に入らないものを 得たいと思うのは 人間の本能です。 これが切なさや、 そうして溢れる涙なのでしょう。 あなたの人生は このまま終わってしまって 本当にいいのでしょうか? あなたが求めているのは 本当は違うのではないですか?」 未完成なトラップは ここまでだ。 あとは彼女がずっと 隠し続けて来たその思いに 自分で結論を出すしかない。 ポロポロととめどなく 溢れた涙をそのままに 彼女は潤んだ瞳で俺を見つめる。 「…なんで…?」 「はい?」 「なんでそんな風に 人の心にズカズカと 踏み込んで来るのよ…」
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