迷走

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恐らく… 冬木部長は俺と沙織が 終わっている事に、まだ 気付いていないんだろう。 『俺のものばかりに手を出すな』 その瞳はそう言ってる気がした。 けれど俺はもう引けない。 あなたが一番大切にすべき人は… 彼女じゃなくて沙織だ。 「東雲さん、すみません。 お待たせ致しました」 鞄を持ってようやく 俺の横に戻った彼女に チラリとだけ視線を向けて すぐにデザイン部から出た。 もう一度、彼女に 『お仕置き』をしなければ、と 心で思いながら。
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