迷走

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地下の駐車場で 車に乗り込むと同時に 彼女に詰め寄る。 「朝から部長の言いなりに なってんじゃねーよ。 始業前の何分かで ケジメつけられるとでも 思ってんの?」 「はっ…?」 俺の豹変に まだついて来れない彼女は あんぐりと口を開けて 俺を見つめてる。 「7年も不倫関係を 続けて来たんだからな。 部長だってそんなアッサリと お前を手離したりなんかしないだろ。 10分じゃいいトコ 丸め込まれて終わるだけだ」 冬木部長との関係が 7年もの月日に及んでいる事を 俺が知っている事に 驚いたらしい彼女は すぐにそこを突いて来た。
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