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しかし…
レストラン街の喫茶店で
彼女と向かい合って
コーヒーを飲みながら
休んでいた時だった。
ガラス張りの向こうを
じっと見つめたまま
動きを止めた彼女に
首を傾げてその視線の先を
追った俺の目に映ったのは…。
…腕を組んで歩く
冬木部長と沙織の姿。
その姿に昨日の
あまりに哀れだった沙織の
顔を思い出して…
虚しくなった。
視線を戻せば
俺を見つめて
ゆらゆらと瞳を揺らす
彼女がポツリと呟く。
「…東雲さん…」
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