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言い切った部長に
私は耐え切れず問いかけてみた。
「冬木部長は…
東雲さんと奥様が
そういう関係だと解っていても
奥様と離婚しないのは何故ですか？」
私の質問に冬木部長は
一瞬、瞳を揺らす。
けれど、
小さくため息を吐いてから
静かに言った。
「香織にこんな事を言うのは
申し訳ないけれど…
それでも俺は
妻を愛してるからだよ。
結婚した時に俺は
大きな覚悟をしたんだ。
何もかも捨てて
俺について来てくれた
沙織を絶対に
見捨てるような事はしないとね。
けれど香織の事も愛していた。
俺はズルイ男だって
自分でも自覚してる。
でもそれが
嘘偽りのない俺の気持ちだ」
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