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「…ゴメン。
ちょっと俺、今
余裕ないから…。
しばらく一人で考えたい。
前島さん、先にオフィスに
戻ってくれるかな?」
きっと小野さんは
精一杯の笑顔を見せて
くれてるんだと思う。
申し訳ない思いを抱えながら
私は小さく頷き車を降りた。
地下の駐車場のコンクリートに
響く自分の足音を聞きながら
私は心の中で思っていた。
小野さんを受け入れれば
たぶん私は幸せになれるんだろう。
けれど…
千夏の気持ちも大切だけど
小野さんに断った一番の理由は
冬木部長の愛情を独占出来ず
苦しんで来た7年間と
同じ思いを小野さんに
させるのだけは嫌だった…。
だって…
私の心の中には…
やっぱりずっと彼が
住み着いたままだから…。
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