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その質問に千夏は
ふうっと、ため息を吐き出す。
「チーフだって
知ってるんでしょ?
私と冬木部長の関係」
「…うん…」
コクンと頷いた私を
千夏は悲しそうに
瞳を揺らしながら
見つめて呟いた。
「従妹なのに…
恋愛感情なんて…
ある訳ないじゃないですか」
「…えっ?」
「私はただ…
優しいお兄ちゃんの拓馬くんに
幸せでいて欲しいだけでした。
他にお話しする事はありません。
今日の事は謝ります。
申し訳ありませんでした」
立ち上がって
頭を下げた千夏は
クルリと背中を向けて
会議室から出て行った。
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