終わる瞬間(トキ)

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頭を下げた私に 東雲さんはふわりと笑って。 「こちらこそ。 あなたと仕事が出来て 香港から無理にでも 転勤希望した甲斐がありました。 これからもその素晴らしい才能を 生かして頑張って下さい」 そう言って彼は さっき開いたばかりのカーテンを 閉じて行く。 差し込めていた光が 遮断されて行く様を じっと見つめながら 心で静かに感じていた。 私と彼が始まった… あの危険すぎた罠の… …全てが終わる瞬間を。
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