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「だけど…
加藤千夏が俺を好きだなんて
全くの計算外の出来事だったんだ。
彼女が仕掛けた罠で
俺の中に変な焦りが出てしまって
冷静じゃいれなくなった。
だから東雲に君の気持ちを
伝えてやれる余裕も
なくなっちゃったし…。
…すんなり君を東雲に渡すのが
惜しくなって、告白なんて
事までしちゃったけど…。
俺ね…
冬木部長はどうしても
好きになれないけど…
東雲の事はやっぱり嫌いになんか
なれないんだよ。
たぶん東雲も俺と
同じ気持ちだったんだと思う。
だからコンペで
ソファーベットを出品せずに
前島さんの為の
ロックチェアだけを
出品したんだと思うんだ。
俺と競い合う意味を
感じなくなったから。
香港に戻ったのも…
たぶん東雲は
俺と前島さんの関係を
勘違いしたから…
身を引いたつもりなんだと思う。
俺も東雲も…
お互いが身を引き合った結果が
今日のコンペだったって事」
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