真実

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はらはらと零れ落ちる私の涙に 眉を斜めに下げた小野さんは ポケットから折りたたんだ 一枚の紙を取り出した。 「東雲の香港の家の地図。 逢いに行っておいで。 逢ってきちんとその思いを 伝えてあげなきゃ…」 「……っ……」 言葉に出来ない思いで 胸がいっぱいになって 俯いた私の手に 小野さんはその紙を握らせて すっと立ち上がらせた。
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