戦友

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『前島さんが 香港に向かってる』 聞こえて来た言葉に、 俺の胸がドクンと波打った。 『一応お前の家の地図を渡したけど… 彼女、香港に行くのは 初めてみたいだから。 きっと不安でたまらないだろうし 空港まで迎えに行ってやれよ』 「…小野さん…」 『彼女は俺よりも お前を選んだって事さ。 東雲の話ってのも 前島さんの事だろ?』 笑いながら言った小野さんに 俺はぐっと唾を飲み込んでから ゆっくりと言葉を紡ぐ。
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