3544人が本棚に入れています
本棚に追加
/37ページ
『前島さんが
香港に向かってる』
聞こえて来た言葉に、
俺の胸がドクンと波打った。
『一応お前の家の地図を渡したけど…
彼女、香港に行くのは
初めてみたいだから。
きっと不安でたまらないだろうし
空港まで迎えに行ってやれよ』
「…小野さん…」
『彼女は俺よりも
お前を選んだって事さ。
東雲の話ってのも
前島さんの事だろ?』
笑いながら言った小野さんに
俺はぐっと唾を飲み込んでから
ゆっくりと言葉を紡ぐ。
最初のコメントを投稿しよう!