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「それに冬木部長を
殴ってやりたいって
思うくらいムカついた話も」
「…はい」
手に持ったままだった
缶コーヒーのプルタブを
カチッと起こしてひと口
飲みこんだ小野さんは
大きなため息を吐き出した。
「俺はね、東雲に…
罠を仕掛けたんだ…。
加藤千夏を使ってね」
「…えっ?」
驚いて見つめた私を
ゆらゆらと瞳を揺らして
見つめ返した小野さんは
フッと小さく笑ってから
ソファーにズルズルと
身体を沈み込ませた。
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