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「俺さ…
香港支社にいた頃、
東雲が一番可愛い
後輩だったんだよね。
だから俺も東雲に何でも話したし
東雲も俺に何でも話してくれた。
デザイナーとしてだけじゃなくて
俺にしてみたらなんだか弟みたいでね。
日本に戻ってからも
ずっと東雲の事が心配で…。
ホラ、沙織が冬木部長に
走っちゃったからさ…。
こまめに連絡も取ってたし
俺なりに東雲を
励ましてたつもりだった。
だけど…
東雲は沙織との関係が
続いていたのに、
終わってるなんて
俺に嘘をついたんだ。
…東雲は俺を
信じてくれてなかったのかって
思ったらすごくショックで…
それでもきっと東雲も
色々あって人間不信に
陥ってるだけだって思い直して
何度も許そうって思ってた。
それがさ…
香港から移動して来て…
俺が自分の気持ちを殺してでも
守りたかった前島さんと
冬木部長の関係を
アッサリと壊したりしてさ…。
その目的が沙織の為なんじゃ
ないかって…
そう思ったら…
…許せなくなった。
だから…
加藤千夏を使って…
沙織と会わせるように
仕向けたんだ」
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