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小野さんの告白に
動揺を隠せずに瞳を揺らす。
けれど小野さんは
私を見る事もなく
淡々と話を続けた。
「駅で東雲と沙織を会わせて…
それを前島さんが
目撃するように仕向けたのも
俺の計算通り。
東雲の動きは常に
加藤千夏に見張らせてたから
タイミングを合わせて
前島さんを駅に向かわせたんだ。
それを前島さんに見せて…
その後で冬木部長と沙織が
一緒にいる場面を見せれば…
沙織が冬木部長の妻であって
東雲の愛する人だと…
必然的に知る事に
なると思ったからね。
あの日…
ショールームに
冬木部長と沙織がいたのも
加藤千夏に誘い出させたからなんだ。
…前島さんはあの日、
すごく傷ついたと思う。
だけど…
あのまま東雲との関係を
前島さんが続ければ続けるほど
もっと傷つくと思ってたから。
あんな方法でしか
君と東雲を引き離す手段が
思いつかなかったんだ。
俺って汚い男だろ?」
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