旅立ちの章

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おじいちゃんは、火を起こし、魚を焼きはじめます。 パチパチと燃え、三十匹程の魚は、香ばしい香りで、次々と、焼き上がります。 「いっただっきまーす!」 ポポロンは、両手に魚を持ち、むしゃむしゃと 食べ始めます。 「うまいぞ! ほら」 ポポロンは、こんがり焼けた魚を、剣士に渡します。 「あ、ああ。ありがとう……」 剣士は、戸惑いながら魚をもらいます。 「ん? どうした? 食べないのか?」 ポポロンは、言います。 「いつから俺が、女だと気付いた?」 「袖を握った時」 ポポロンは、答えます。 「やはりキサマも、女だから、俺を馬鹿にするのか?」 剣士は、ポポロンをにらみ、言いました。 「興味ない。ほら、魚が、冷めちまうぞ」 ポポロンは、また、魚をむしゃむしゃ食べ始めます。 「色々と、大変じゃったんじゃな?」 おじいちゃんは、剣士に優しく言いました。 「……」 無言で魚を ほおばる剣士。 「名前は?」 ポポロンは、言いました。
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