旅立ちの章

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「じいちゃん……。風が、変わった」 今までは、そよ風程度の風が吹いていましたが、風がピタリと止まり。草木が動かないという、異様な景色が広がりました。 「……。ふむ。どうやら、間違いないようじゃ、お主が言うように、風の神殿に何か起きたようじゃの」 「何故、わかるんだ?」 シアンは、言います。 「じいちゃんは、六十年前に、闇の王を封印した戦士の一人だからね」 ポポロンは、自慢気に言いました。 「! まさか。四人は、死んだのでは?」 「ごほん! 勝手に、殺すでない。三人は、寿命で死んだがの。わしは、一番若かった……しんみりしても、始まらん。ロンヌが、見えてきたぞ」 三人の目には、しっかりと、ロンヌの城壁が、見えてきました。アルセウスと、ロンヌ。二大要塞と言われる程、ロンヌもまた、大きなお城です。 三人は、巨大な門の前に着きました。 「なんだ? 入国か?」 門の前の兵士が言います。 「ああ。バルザスに会いに来た。」 バランは、言いました。 「国王に?」 「ああ、雷帝バランと言えば、わかるじゃろ……」 「雷帝バラン……」 兵士と、シアンは、驚いていました。
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