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「バルザス、いや……マンモン!! 姿を、現さんか!!」
突然バランは、凄い気迫で、言いました。部屋の空気が震え始め、ロンヌの王の真上に、二つの首に、鷹の顔を持つ黒い大きな悪魔が、姿を現しました。
「……。ひひゃひひゃひひゃ。おとなしくしていれば、氷の塊にして、喰らってやったのに、わざわざ呼び出すとは、何者だ? まあよい、 ここは、良いぞ?金貨が、こんなに手に入る。望めば、望むほどな、これも、馬鹿な人間のおかげだ、ひひゃひひゃひひゃ」
二つの首を持つ黒い大きな悪魔は、奇妙な笑いと共に、バランに言いました。
「……。やはり、あのときと同じじゃな……。最初は、物欲の悪魔が、姿を現す。あの時わしらは、止める事ができなかった、じゃが今は、違う」
バランは、瞬時に悪魔マンモンの背後に移動します。
「!」
マンモンは、あまりの速度に対応できず、バランの稲妻をまとう拳を受けてしまいました。
「! げぎゃっ! な……人間が、我ら魔族に、太刀打ちできると?……はぁ、はぁ……い、いくら、欲しい? いくら、欲しいのだ?」
マンモンは、腹部を羽でおさえ、冷や汗をたらたらと たらしながら、バランに言います。
「……。今のわしは、腹がとても減ってるんじゃ、食材がない、この町でお金をいくら、もらってものぅ……」
「いくら欲しいのだ?……金貨十万枚? いや、百万枚か? いや……。全ての冨をくれてもいい」
「それだけ貰えば、たらふく飯がくえそうじゃ……じゃが」
「!」
「民を犠牲にした、はした金をもらうほど、わしは、腐っちゃおらん!」
バランは、強い口調で言いました。
「ち、ちくしょ~~」
マンモンは、最後の力を振り絞り、ポポロンの元へ向かいました。
「み。みち。道連れにしてや」
「! ぼへあ!!」
マンモンのクチバシは曲がり、鼻から血と、鼻水が垂れ、倒れ込みました。
「うーん!! すっきりしたぁぁあ!!」
「ポポロン……?」
シアンは、驚いていました。ポポロンの拳にも、雷がまとわれ、その拳で、マンモンを殴っていたのです。
「当たり前じゃ、ポポロンには、わしの全ての技を、教えてある」
バランは、言いました。
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