旅立ちの章

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「はふ、はふ、うう……。もどりたくない、もどりたくない」 マンモンは、羽をばたつかせながら、悶え苦しみます。 「人間め! はふ、はふ、だが、これで終わったと思うな! はふ、はふ、われらが王は、われらが……王は、はふ、はふ……。必ず……。は。はふ、は。はふ、は……」 マンモンは、断末魔と共に、玉座の後ろに現れた よどんだ扉に、吸い込まれていきました。 「やはりこの場所に〃魔界への扉が〃、現れたか。」 バランは、しんみり言いました。 「……。ここは?」 ロンヌの王、バルザスは、意識を取り戻し、言います。 「バルザス、大変じゃったな? じゃが、何故お主の様な人格者が?」 「バ、バラン殿! 」 バルザスは、玉座から降り、氷の地面に頭をつけて言います。 「こらこら、よさんか、寒いぞ!」 「! これは、一体!」 ガタガタ震え、バルザスは、言いました。
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