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「こんな、ものなのか……」
銀色の髪をなびかせながら、紫色のローブの剣士は、試合会場から、出ていきました。
そして、何事もなかったかのように、試合がまた、始まりました。
しかし、あんな試合を見せられた後の会場は、静まりかえっていました。そんな中、ポポロンは、
「ポポロン? おーい! どこに行った! やれやれ……」
おじいちゃんは、ポポロンを見失っていました。
「ちょっと! まてよ! 何で試合で、殺す必要があるんだ!!」
「なんだ? ガキか……」
紫色のローブの剣士は、一言呟き、また、歩きだします。十八歳ほどの、綺麗な顔立ちの剣士は、細身の剣を、腰の鞘に直し、会場の外に出ました。
「おい! 待てって!」
ポポロンは、剣士のローブの袖をつかみます。
「え」
ポポロンは、くるっと一回転し、地面へ、どたーん! と、背中から、落ちてしまいました。
「俺に、触るな……殺すぞ」
鷹のように鋭い眼で、ポポロンをにらみ、ポポロンの首筋に、剣を当て、言いました。
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