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ポポロンのまわりの人々らは、静まりかえりました。見て見ぬふりをする人々。
そんな中、ずっしりとした、威厳がある声が、どこからか聞こえてきました。
「何をしておる? ポポロン、いつも言っておるじゃろ? 〃油断大敵〃……と」
一瞬にして、空気が変わりました。ビリビリとした、緊迫した空気に。
紫色のローブの剣士も、あまりの気迫に、気を引き締めました。
「じ、じいちゃん」
「すまぬの、若いの、わしの、せがれが迷惑をかけて、どうか、許してやってはくれまいか? この通りじゃ」
ポポロンのおじいちゃんは、深々と、頭を下げました。
「じいちゃん……」
「……キサマ、ただ者では無いな……何者だ」
銀色の髪をかきあげ、言います。
「ただの、老いぼれじゃよ……」
まだ、おじいちゃんは、頭を下げていました。
紫色のローブの剣士は、剣をしまいました。そして
「俺は、闇の王の復活を阻止するため、強き者を見つけに来たが。腰抜けばかりだ。名は知らぬが、俺に力を貸してはくれぬか?」
「闇の王……じゃと……」
おじいちゃんは、額から汗を流し、何かを知っているような表情をしました。
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