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「アニエスさんを守るには、もっと辛いことをしなくちゃならなくなるけど?」
アニエスの名前を出すと、エミは顔を上げてミチカを見た。
ベッドテーブルに置かれた懐中電灯の光だけではあまりよくは見えなかったが、その表情は恐怖でも躊躇でもなく……もっと無機質で……。
「やります」
エミの声にハッとしたときには、すでにエミは始めていた。
――いいぞ。一線を越えればあとは簡単だ。これでエミは俺の手駒。アニエスを守るためだと言えば、何でも言うことをきく奴隷人形だ。
ミチカは、新しい玩具の頭を優しくなでた。
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