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――エミと仲良くなれたのに、この動画がレイの手にあるかぎり、僕はレイの奴隷だ……。なんとかしないと。エミもそう言っていた。だから……。
「やめろ!!」
レイからデジカメを奪い取って、机の角に何度も叩きつけた。
そして床に投げ捨てると、レイを睨んだ。
「これでもう、動画はなくなった!」
勝ち誇るように言うブイを、レイは冷ややかな目で見た。
口元には余裕の笑みだ。
「あはははは、いつかやると思った。でもね、ブイ君の動画は別のSDカードにコピーを取ってあるわよ」
レイは余裕たっぷりに笑う。
「え……」
――バックアップを取っていたのか。くそっ! だから、そんな余裕の表情だったんだ。
「エミに見せたら幻滅するかもね」
レイは嘲笑した。
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