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「ちょっと! エミさん!」
ブイの大声に、エミはビクッと体を震わせた。
「あの、レイさんをどのように殺したのですか?」
エミは、落ち着いた声で、ブイの目を見つめながら訊いた。
「殺したって……そんな言い方もなんだかなぁ。首を絞めたんだよ、パーカーの紐で」
「そうですか……レイさんの部屋の鍵は?」
「そのままにしたから、開いているよ。ああ、そっか、誰か入ったらどうしよう……」
ブイは、鍵を掛けなかったことに今さらながら後悔した。
「とりあえず様子を見に行きませんか? レイさんは気絶しただけかもしれませんし」
「え?」
気絶しただけ? エミの言葉に、ブイの心臓は止まりそうになった。
……そんな、もしレイが生きていたら……ゴクリ。
ブイは生唾を飲み込む。
「う、うん、見に行こう、早く」
ブイは急いで立ち上がる。
――もし生きていたら、この紐をもう一度使って……。
そして、ポケットの中の紐を握りしめた。
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