深夜の訪問者

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「……すいません」 エミは申し訳なさそうに謝る。 「ちゃんと証言してよ? エミさんがそうしろって言ったって」 「……はい」 エミの返事に安心したのか、ブイは部屋の隅にまとめてある食料のところに近づいた。 そして、残っていたレイの食料と水を抱えた。 「あの、ブイさん?」 「ん? いいでしょ? レイさんはもういらないんだし」 「そうですね……」 「エミさんも少しいる?」 「いえ、私は少食なので、まだ残っていますから」 「そう? じゃあ全部僕がもらっていくね」 ブイは満面の笑みで言った。 食料が、残り少なくなっていたのだ。
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