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“崩れる足元”高原航大…、“徒討ち”藍空天…
お互いが名乗り合った時に、少年は血を流しながらも笑った
(よし…見えたぜ。可能性のその先が)
「目先だけにとらわれてると大局を見失うぞ?」
「構いません。僕は紗英さんを守れれば、アイツを殺せれば僕はどうなっても」
三者三様に思うところがある。三者三様に目的はあった
高原航大は…防ぐために、藍空天は…果たすために、そして…早瀬瞬は生きるためにそれぞれ行動を開始した
(…握れる。身体も問題ない)
高原航大は笑いながら右手の紅刀を振りかざす。藍空天は盾と剣を構えあくまでこの化け物に挑むようだ。爽やかな笑いから余裕さえ伺える
早瀬瞬から見ればどちらも化け物。触れれば砕けるような圧倒的な存在
「教えてやるよ。高原航大」
倒れながら高原航大を見上げ早瀬瞬は笑う。その言葉に二人は怪訝な視線を向ける
「さっきの答え。正直なところ俺にもよく分かってないんだ」
(あ、さっきの脅した質問な)
目の前の藍空に気を取られて忘れていた模様
「ただな…上手く言うならお前は今日、あの場所、あの時に来ると“俺は思った”」
袖の下から零れた物体。高原はそれを目視し理解した瞬間、反射的に両手で自分を守った
手を離した瞬間に早瀬は身体を動かし跳んで廃墟の縁側に立った
「つまり“直感”だってことだ。ってことでぐっばーい」
発光。袖から零れた物体が発したものである
「フラッシュグレネードか!!」
高原と藍空が目を覆って、再度開いたときに既に早瀬はいなかった
彼が起こした化け物二人に対する行動は
敵前逃亡
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