それは唐突に起きた。朝に納豆食った

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「…はは。あははははははは!あっさり逃げられちゃいましたね!」 笑い出す藍空を見て高原は溜め息を吐く 「まさか逃げるとはなぁ…油断してるつもりは無かったんだが」 藍空が来て、警戒したことは認めているが、無論高原は油断などしていなかった 寧ろ藍空が来たことにより一層警戒を強めたくらいである (寧ろ警戒しすぎたせいで逃げられたのかもな) 袖の下から爆弾を落とされた瞬間に隠蔽を企んだ俺を巻き込む自殺かと思った だから身体を守ったし爆弾を視界から外さなかった (でもあの人…あのタイミングで逃げるのかぁ) 常人ならまずこの状況で逃げるなんて考えない。でもあの人には確固たる自信がある目をしていた その通りに逃げることには成功したけど…どうも気になる ((…本当に直感?)) お互い顔を見合いながらも目の前にいる相手ではなく先程逃走した早瀬瞬をお互い頭に思い浮かべていた 「…戦いますか?」 「…いいよ。なんかさっきので興が冷めた」 そう言うとお互いに笑い双方武器を収める 「アッハハ。それにしても面白いよなぁアイツ!!」 「なんて言うか…予想斜め上を行ってましたね」 「いや…案外そうでもないかもしれないぜ?」 (予想してはいなかったが……今思えば…) 「また航大さんは…ニヤニヤして…」 「初めてお前と会った時と似た感じがしたぜ」 「……南無」 自分の人生を振り返ってか、手を合わせる。高原は笑いながら外を見た 「…追わないんですか?」 「…まああれだ。なんとなくだが すぐにまた再会しそうな気がするんだよ」
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