345人が本棚に入れています
本棚に追加
/528ページ
身体が痛い。何故こんなことになっているのか見当も付かない
ごめん、嘘。やっぱり命を狙うのが悪かったのか
頭を掴まれながらそんな風に思ってしまう
「お前は動くんじゃねえぞ」
頭を更にキツく絞められた。…そんなこと言われても銃が蹴り飛ばされて遠いし武器までは手が届かないから無理に決まってるだろ…
その男。黒く澄んだ…あ、訂正。黒く死んだ瞳に、黒いローブを纏って右手に紅い刀を構えていた
だが…その目は俺ではなくもう一人現れた男に向けられていた
その男は、剣に盾を持ち合わせており…溜め息を吐いた
「二ヶ月も音信不通で…突然現れて、こんな形で再会するなんて…本当に人生は奇異なことばかりです」
そう言って剣と盾を構える。なんか…アイツは…気配が違うような何かが違う
「お前は…“この世界”を知らなくても良かったのにな。でも踏み出す必要があったんだろう?」
「はい。奴にたどり着くためには仕方がないことだったのです」
「そうかいそうかい。仕方なかったんだな。なら俺からも言わせてもらう。…この戦いは避けられないことだったんだ」
……知り合いみたいだが…何故戦闘態勢なんだお互い
分からない。分からないけどなんかヤバい
「さて、改めて自己紹介しよう
“紡ぐ希望”兼“崩れる足元”所属、高原航大だ。こっちでは“災悪の守護者”と名乗ってるからな」
「“徒討ち”所属、藍空天。“死に体の簒奪者”です」
…これは始まり。全てが始まるその序章だった
この場で交わった3人が
この世界を変えていく
最初のコメントを投稿しよう!