それは唐突に起きた。朝に納豆食った

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朝日注ぐ小春日和。日光を受けながら銃を手入れする少年 「んー…」 寝ぼけた目ながら丁寧に細かく整備していく 傍にあった携帯が震える。少年は手を休めて一息ついた後、携帯をとった 「もしも『バカ兄貴!!』 (…めんどくせえ) 第一に考えたのはそのこと。朝から耳に痛い話はやめてほしいのだ そうとも言えず、ただ耳を添える 「朝から何の用だ…」 『今日も家に帰ってこなかったでしょ!!』 そのことか…。仕方ないと答えればそれで終わりだが…… 少年は完璧に目覚めた目で銃を見た 「…親父達には伝えたはずだろ?俺は家にはもう帰らない」 『そんなこと私は認めない!!』 朝からこんな大声を出せるのか…そんな風に考えながら銃を片手でまた一回拭く 「親父達は諒承してくれた。俺も仕事には就けてる。お前にとって邪魔な俺が消えた。何が不満なんだ?」 厳しい口調に変わり、諭すように語る 『………ッ!!』 何か言いたそうで言えない。そんな声にならない声が喉元で止まった声が漏れた 「それにいつかはこうなることは決まってたんだ。お前が養子として家に来た時にな」 『…で、でも』 「でもとかそういうことじゃねえんだ。俺が烏滸がましくあの家に居座り続けたらいつか俺を担ぎ上げる馬鹿が現れかねない。貴族の家に跡継ぎは…一人でいい」 止まる。相手の答えを待つものと答えに追い詰められたものと 『…困ったら』 絞り出したような声。一度区切り、何かを押し殺したような声で告げた 『困ったらいつでも帰ってきて。早瀬の家はいつまでも兄さんの家だから。お父さんとお母さんも兄さんの味方だよ』 「…ああ、分かってるよ。たまには顔を見せる」 朝は過ぎていく
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