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「はいはい…。三時間待ちましたが見つかりませんでしたよ」
予想通り、予想通り…。まあ行方不明なんだから普通は見つかるはずないよな
だけど…なんとなくこの街中にいるはずだと思う
城下町、ビルが並び立つ街中でも活気のある地域
「…いつも通り。いつも通り信じればいいか」
スナイパーライフルを置いて飯を片手に周りを見る。周りには会社に勤めて働いているサラリーマンがあちらこちらいそいそと歩いてる
俺もたまに此方に向けられる視線に軽く会釈する
誰もが急いでいるせいか俺の身体で上手く隠したライフルに気付かない。まあ同じスーツを着てるから同業者と思っているのだろう
床に座った会社員なんて注意くらいしろよ
バンダナを着け直し外を見回す。目は良い方だが…人が多すぎて見分けがつかんなぁ
「目立つような格好でもしてくれたら…」
ふと街の中央、まさに真ん中の銅像、“英雄賞賛像”を見た。一回スルーした後、もう一度見たとき何かが現れた
英雄の銅像に乗っかる男の姿。いや男かどうかは分からないが兎に角誰かが立っていた
「目立つことす…」
改めて見た刹那だった。身体が突然震えだし心拍数が高まり脂汗が流れ出てきたのは
「ッ!!」
窓から距離をおいて身構える。社内の人たちは壁に自らぶつけにきた俺を見て慌てふためいていたが俺は気にもしなかった
(嫌な感じ…今まで感じたことがないくらい圧倒的な力の感触…)
呼吸を落ち着けながら考える。だが深く呼吸をしても深く考えることは出来なかった
(あれが……奴が…最強にして…“英雄”…高原航大…!!)
恐ろしさが増した
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