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その後すぐ直太に電話をかけた。
……そして謝った。
直太は分かってたってそう言って電話を切った。
私が恋人として涼を紹介した時、私の涼を見る目が恋をする女の子だったらしい……。
―――…
それから数日後。
涼はこの家を出て行った。
私にはいつもの日常が始まって、お姉ちゃんにも新しい恋人が出来て、そんな私にも新しいちゃんとした恋人が出来ました。
普通に高校生らしく、お付き合いを始めてます。
涼と付き合って分かった事は、涼は強引なんだと思ってたのに全然そんな事はなかった。
あの時のそれは精一杯頑張っていた行動みたいで、意外と純情少年でした。
……もちろん綺麗な付き合いです。
数日経った今でも、手を繋ぐというデートが当たり前です。
けど今はこれが最高に幸せだと実感しているんだ。
「ねぇ由芭ちゃん。もう由芭ちゃんは、“人のモノにしか興味がない知枝由芭” ちゃんじゃないよね?」
「うん! 今の私は、“娃羽涼” にしか興味がないわよ」
……もうすぐ冬の訪れ。
秋の紅葉が散った中、涼の制服のブレザーにそっと手を忍ばせた。
涼……
こんな私を暗闇の中から、救い出してくれてありがとう。
*FIN*
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