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「私、残念だけど、イケメンには興味ないの!」
とそれだけを言った後、氷が溶けきった温い水を飲み干した。
「そうなんだ! だけど俺はものすごく興味あるのにな。由芭ちゃんの事……」
涼は甘い声でそう言うと、私と視線を絡めてきた。
その瞬間、まるで心臓を鷲づかみされたようにドキドキした。
なんて澄んだ目で見つめてくるのだろう……。
だから私は、今言った言葉にある言葉を付け加えてやった。
「後言い忘れたけど、フリーの男にも興味がないんだけど?」
とわざと低く言う。
不覚にも涼にときめいてしまった事を悟られないように!
それと同時に、“涼には興味がありません!” と忠告するように!!
……事実、イケメンに興味がないのも本当だから。
イケメンは自分がカッコいい事を知っている。
イケメンは自分がモてる事を知っている。
そんな男を落としても仕方がない。
だって心を落とせなかったら、私の負けなのだ。
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