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「由芭っ!!」
涼が今度は、人の事をさっきより馴れ馴れしく呼び捨てにしてきた。
これにはさすがの私も切れた。
涼の前に忍を先に睨み付けた。
そもそもあんまり仲良くもない私に、こんな男を紹介しようとするコイツが悪い!
……忍は殺気を感じたのか、
「やべぇ、俺……昼休み、センコウに呼び出し食らってたんだ!」
と言うと、逃げるように食堂から出て行ってしまった。
という事は、必然的に涼と二人きりにされたのだ。
アイツ、明日覚えときなさいよっ!!
だから私は仕方なく涼の方へ向き直って、言葉を返した。
「何よ? アンタに呼び捨てにされる覚えないんだけど――」
そのまま椅子から立ち上がって、ドアへ向かう。
……だけど足が動かない。
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