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そこで。
「ねぇアンタ……私の噂知ってるんでしょう?」
思わず振り返りそう言った。
「噂って? 人のモノしか興味ないっていう美少女由芭ちゃんの噂の事かな? っていうか、俺は“アンタ” じゃないよ?」
「知ってるなら、どうして私なんか……」
私はその謎が知りたかった。
普通なら、その噂を耳にした人ならば、こんな女なんて避けるものだろう。
だから私に近寄ってくるのは、大概はモてる男で自分に自信のある男だけだ。
しかも“女” つきの。
そういう男はきっと、セフレでも求めているのだろう。
……でも私はそんな男には興味がない。
浮気をしたい男には興味がないのだ。
「俺、由芭ちゃんに興味があるんだ」
「やめてよっ! これ以上私に近づかないでっ! あの噂は本当なのよ。私はっ、フリーのアンタなんて興味がないのよっ!!」
「だから俺は、“アンタ” じゃないって…」
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