花火

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……。 「行くか。やっぱ。」 「お。切り替え早っ。」 ドーン、ドーンと花火の音が重低音で胸に響く。 俺と大倉はエレベーターで最上階まで上がっていった。 もしかしたら春子がいるかもしれない。 小さな期待が胸を高鳴らせる。 「何?さっきまでクールだったのにソワソワしてない?」 「してねぇよ。」 思いの外ぶっきらぼうに言ってしまい、一層大人気なく見えたのだろう。 大倉が納得いかない顔をして首を傾げている。
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