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食事をせず、ただ花火を見に来ただけの人もいるようだ。
店員が2、3人いるが、そういう人も今日だけは許容している感じだ。
限られた人しか知らないとはいえ、もっと大勢いるかと思っていた。
こんなベストなポジションでゆっくり花火が見れるなんて、なんて贅沢。
「俺ら、浮いてんね。」
テーブルの隅を通りフェンスに向かいながら大倉が耳打ちする。
確かに圧倒的に女が多いので、男2人だと結構目立って恥ずかしい。
しかもスーツのままだし。
女達がやたらとこっちを見る。
花火を見てろよ、という気になる。
と思いつつ、自分も歩きながらキョロキョロ周りを見渡す。
もし来てたら、このくらいの人数ならすぐ見つかるはず。
ちっちゃいし。
「いない…。」
「え?何か言った?」
「いや。」
フェンス際のちょうどよさそうなポジションを見つけ、2人で簡易ベンチに腰かけた。
煙草を吸いたいと思ったが、テーブルで食事をしている人もいるため我慢した。
「お飲み物だけでも頼まれますか?」
近くにいた店員が声をかけてきたので、軽く2人で飲むことにした。
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