花火

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「で。その子は男性恐怖症で男と接することが極度に苦手らしく…」 「ほぉ。」 「俺の友達はその子と直接しゃべったこともなければ、近づくこともできないらしいと。」 「…マジ? そんな切ない恋をしてんの? つか…その友達とやらは。」 「……自覚なかったみたいだけどね。」 あーあ。 性に合わず酒の勢いで暴露してしまった。 「俺がそいつなら、どうするかなぁ。 玉砕覚悟で突っ込んで、無理やり自分を好きにさせるか…。 怖がられるくらいなら遠くで見守るか。」 大倉は冗談半分に見えて、割と真剣に考えている。 げんこつにした手を口元にあてて、うーん、と悩んでいる。
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