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「忠貴? とりあえず早く帰ってきてね。 ご飯温めるだけにして待ってるから。 それじゃ、後で。」 ツー、ツー、ツー…。 切れた電話をぶらりと垂らした手で持ったまま、しばらく動けずにいた。 こんなになるまで放っておいた俺が悪い。 …俺のせいだ。 「…うぅっ…、っ…。」 ダンッ! 壁の方を向き、拳を打ちつけた。 「っっ…。」 ズル、ズズ…。 そのまま床に崩れ落ちる。 春子の助言をちゃんと聞くべきだった。 確かに、おふくろには俺しかいないんだから…。
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