第12話

波

12月末の金曜日。

いつものようにPUZLLEに寄って帰った。

今日の春子は瑞希と二人だった。

今日もよく笑っている。

外がかなり寒いせいか、頬が赤くてリンゴみたいだ。

チークいらずだな…。

遠くから見ながら心の中で呟く。

東條から交際を申し込まれたと言っていた日以来、3人でPUZZLEに来ているところを見ていない。

なんて返事をしたんだろうか。

なんだかんだで聞き出せてない。

20分程コーヒーを飲み、煙草を吸って、店を出た。

母親が待っているから早く帰らなければいけない。